「親孝行大賞」コンテスト ★こころぽかぽか賞★『オヤコウコウの意味』

【ペンネーム(掲載時のお名前)】りんさん
【性別】男性
【年齢】35
【住所】埼玉県所沢市

【「親孝行大賞」のタイトル】
『オヤコウコウの意味』

【「親孝行大賞」の本文】
「オヤコウコウってなあに?」
あれは僕がまだ小学生の時だ。ふいに僕は母に尋ねた。母ははっきり答えた。
「あなたが生きていることよ」
僕はその言葉の意味を深く考えなかった。だけどやがてその意味がわかる時がきた。

あれは僕が二十歳の時だった。就活中の僕は五十社受けて、ひとつも内定をもらえずにいた。毎日届く不採用通知。一気に十社から来た日にはもう死すら過った。いらない人間。そう言われてるみたいだった。

結局、働かずそのまま引きこもりになった。初任給で親を旅行に連れていく友達もいた。マッサージチェアを贈る奴もいた。母の日に花束を抱えて帰る奴だって。そんな友達を見ては自分が親不孝だと思った。働かないし花も買えない。旅行に連れ出す金も気力もない。いっそ死んだら楽になるのに。そう思った。だけど母は言った。

「生きてさえいればいい」

今も昔も変わらぬやさしさがそこにはあった。確かに生きることは難しい。毎日思うようにいかないことだらけ。右往左往する日も、四苦八苦する日もある。だけど生きていればいいことがある。母のやさしさはそれを教えてくれた。

暗い引きこもりの時代も五年で終わった。長くも辛い、そんな旅だった。だけど長いトンネルも終わりがちゃんとあった。今では「早く働け」と言わなかった母に感謝しかない。

最新情報をチェックしよう!
>「親孝行のカタチ」が目指す社会とは?

「親孝行のカタチ」が目指す社会とは?

「親孝行」を通して家族が幸せになり、
社会全体も思いやりでいっぱいの世の中にすること

CTR IMG