親孝行大賞受賞作品 ★親にありがとう賞★ 『父への親孝行』

【お名前】田中さん
【性別】男性
【年齢】69
【住所】山口県 防府市

【「親孝行大賞」のタイトル】
「父への親孝行」

【「親孝行大賞」の本文】
3年前、父が95歳で逝った。最後の2年間は施設に入ったが、母が早く亡くなったので約30年間一人暮らしをした。

近くに住む娘(私の妹)夫婦の支援も受けたが、よく頑張った。私たち夫婦は少し離れたところに住んでいたが、ときどき訪ねて行った。

正月には手作りのおせち、誕生日や父の日には、似合いそうな衣服などのプレゼントを持って行った。これが、人並みの親孝行だと思っていた。ある時妹が言った。

「お父ちゃんは、着るものにうるさいから、もらったものはそのままにしているか、ひとにあげているよ」

それから、形式的なプレゼントは止めた。酒を持って泊りがけで出かけ、酒好きの父と酒を飲みながら、いろいろな話をするようにした。

父は婿養子だったが、出身地での青年団活動、神社やお寺の祭りのことなど、嬉しそうに話してくれた。また、独身時代に入っていた海軍では、南方で敵に見つからないように逃げ回ったこと、終戦で青森に帰還したが山口まで帰るのが大変だったことも、何度も話してくれた。

また、毎日詳細に新聞を読み、テレビではニュースが好きだったので、時事談議もした。酔いつぶれて、二人ともそのまま寝てしまうこともあった。このような時間を10年余り持ったことが、一番の親孝行だと思っている。

また、最後の2年間入った施設は、私の自宅の近くだったので、たびたび出かけた。もう酒は飲めず、やや認知症も出ていたが、訪ねていくと手を挙げて、嬉しそうに迎えてくれた。休日には時間をかけて、お茶の飲みながら、たくさん話しをした。

以前聞いた話が多かったが、複数の話が混同していることもあった。それでも頷きながら聞いていると、とてもうれしそうな表情をしていた。95歳の誕生日から数日後、急に体調が悪化して、あっという間に逝ってしまった。父と話しをする時間を持ったことは、遅ればせながら親孝行をしたと思っている。

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