【親孝行大賞】こころぽかぽか賞 「一子相伝」

青森県弘前市 野球小僧様の作品

我が家の親父は83歳。元銀行員で、今は山菜取りの名人。50年書き溜めた山菜カレンダーを見ながら、計画を立て雪解けが始まった春、ゼンマイ、ワラビ、タケノコ、そして山菜の王様タラの芽を、秋はサモダシ(ならたけ)を採りに岩木山に入る。私と言えば、山菜採りにほとんど興味はなく、ひたすら親父の採ってきた山菜を「食す」専門。

しかし親父も80歳を超え、さすがに足腰の衰えが顕著になってきました。一人で山に行かせるのは危険だな、と思った私は親父に「わ(俺)にも山教えてけねが?」と話したところ、親父はニヤリと笑いながら「おめ〜には、山は無理だね」と一言。

そこで母に「父さん、教えてやらねば、どうするして」と窘められ、ようやく「仕方ね〜な・・・だば、わ(俺)さ付いて来い」と一言。でも言いながらもなんだかとても嬉しそうな表情の親父。以来、親父の背中を押しながらの山菜取りがスタート。

親父は「いいか、覚えておけよ。ここにタケノコが出たら3日後はあそこの斜面に出るんだね」と秘密の場所を一つ一つ私に伝えます。時には私が「さすが親父だな。タケノコこんなに採れるとは」とおだてると得意げな顔。秋にサモダシを段ボール3つ分も採った時は「いいな、この場所はバレやすいから、車は離れた場所に停めねばまね(ダメだ)や!」と指南。それはさながら「一子相伝」の世界です。

私にとっての親孝行とは、このように親父と山に入り、一緒の時間を過ごすことだと思っている。親父の山菜カレンダーには既に来年の予定が記入されている。「親父、来年の春もまた行くべし。来年はわ(俺)の方がよげ〜(沢山)採るや!!」

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