親孝行にまつわるいい話『“界隈”旅行なら行けるね』

中村さん(大阪府高槻市)

“界隈”旅行なんて言葉はないが、海外旅行に比した私達夫婦の造語である。私は四〇年近く勤めた会社を退職したが、周りの友人のように海外旅行や趣味といった悠々自適という訳にはいかない。

二七歳になる重度の知的障害を持つ息子との生活がある為だ。彼は言葉が話せない上に歳をとる毎にこだわりが強くなり、食事、排泄、入浴等日常生活の全てにおいて私達の介助を必要としている。

それも宿命と考えてはいたが、三年前思い切って訪ねた市の障害福祉課で相談した結果、月に二度、一泊二日のショートスティが受けられることになった。
その時妻が言った、「海外旅行は無理だけど、“界隈”旅行なら行けるね」を機に、私達の月二度の、近場の旅が始まった。

夫婦で相談した私達の“界隈”旅行は、
一、出来るだけ歩くことを心掛ける(目標一〇Km)
二、一日一箇所と決め、出来るだけ丁寧に見る(事前勉強やガイドの利用)
三、ちょっと美味しいものを食べる
と、「楽しみながらの心身の老化防止」を目指している。

幸い京都、大阪、神戸、奈良の名所旧跡は日帰り圏内であり、一泊すればもう少し足をのばせる。振り返るに私達の〝界隈〟旅行は、チャンスが限られているから続いているのであり、決して負け惜しみではなく、年に一、二度の駆け足海外旅行よりもはるかに密度の濃いものだと思える。

また介助の生活にもゆとりが出来、時折見せる息子の笑顔にそれまで以上に生き甲斐や喜びを感ずるようになり、今やこの“界隈”旅行が私達家族の潤滑油ともなっている。

障害の息子のお陰で、「幸せとは他人と比較するものではなく、人それぞれが自分に与えられた環境を享受し、その上で出来ることを精一杯することで与えられるものである」を実感させられている。

「人は2、3日の研修では変われない」
楽しく読みながら、長く続けられる心の「社員教育」。サービス向上、モチベーションUPの実績もあります。
▼「いい話」でこころ研修センター
https://pro.form-mailer.jp/lp/53965240181304

最新情報をチェックしよう!
>「親孝行のカタチ」が目指す社会とは?

「親孝行のカタチ」が目指す社会とは?

「親孝行」を通して家族が幸せになり、
社会全体も思いやりでいっぱいの世の中にすること

CTR IMG